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ISOシステム構築への取組み-その1

Last-modified: 2018-08-17 (金) 19:51:32

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ISOを新規認証取得しようと検討されている方に、「ISOシステム構築への取組み」その1 を解説します。

社員が一丸となってゴールをめざす

 ISOシステム構築への取組みは、社員が一丸となって当面の目標であるゴールを目指すことが肝要となります。良い取り組みのスタートを切るためには、1 人ひとりが実現へ向けてモチベーションを高めていくこと、それを維持することが大切です。中小企業の社員にとってISOは、まだなじみが薄いので腰が引けている人がいます。皆さんのベクトルを同じ方向に向けなければなりません。
 初めての取組みにあたり社員は、得体の知れないISOが突然降ってわいたように思うものです。「どうせまた上の方で決めてくれるだろう」くらいにしか考えないかもしれません。
 トップや管理職の人が外部研修などで理解が深まりましたら、あまり間をおかずに社員へのポイント学習を実施するとよいでしょう。ISOへの認識をできるだけ早く共有することが大事です。”当たり前のことをやるだけ”という意識を早く持ってもらうことです。
 そのためには、品質マネジメントシステムへの取り組み指針と、今後の活動の概要を整理しておくことをお奨め致します。例えば、5W2Hの形式でまとめるのでしたら、次のように整理してみるとよいでしょう。


(1) ISO品質マネジメントシステムとは何か、その狙いは何か?(What)

(2) わが社はなぜそれを取得するのか?(Why)

(3) 誰がやるのか、どのような人材が必要となるのか?(Who)

(4) どのような推進体制で取り組むのか、どう認証取得活動を進めるのか?(How to)

(5) 仕組みをどのような形で表し、どの場面で必要になるのか?(Where)

(6) いつから取り組み、いつ取得をするか?(When)

(7) 取組みにどれくらいの工数がかかるか、その費用はどのくらいか?(How much)

スタートよければ半ばよし

 「段取り7分、仕事3分」と現場の作業ではいわれます。準備や計画の大切さは、日常の仕事で常に経験することですが、プロジェクトを成功させるにはなおさらです。ISOの取組みには、セレモニーと、明確なプランと体制づくりが欠かせません。

 初心を忘れないためにもオーブニングセレモニーは実施した方がよいでしょう。社長の固い取得決意表明は社員を奮い立たせる効果が期待できます。

 その次に、構築作業の全体スケジュールを立てます。プロジェクト管理の第一歩は、”まず計画ありき”の考えは、最終目標達成までの進捗管理は欠かせません。大日程を立て、推進体制の役割と責任を明確にします。

 プロジェクト組織化のポイントは、① 推進事務局を設置(人材的に可能ならば専任の事務局員を置く)して、②関係部門から最低1名メンバーを選任(現業と兼務でよい)して実行チームをつくり、 ③実行チームのメンバーが自部門の小集団活動のリーダーとなりWGを組織して現場の末端まで参画させて、④経営層の合議体で定期的な報告や審議をして、全社的取組みとしてオーソライズさせるのがよいでしょう。

 ISO認証を取得するということは、現在の品質マネジメントシステム度合いの分析が必要になります。ISOで要求している品質マネジメントシステム事項に対して、強い部分(すでに仕組みができあがっている分野)や弱い部分(仕組みがほとんど明確になっていない分野)などを知ることから始まります。現状をチェックシートなどでチェックして、取組み体制や所要期間などへのマンパワーの投入量・費用を検討するとよいでしょう。

推進体制づくりからシステム構築、運用~受審までの流れ例(従業員30~50人程度の場合)

1.認証取得の決意

   ・経営トップがISO9001の意義を十分認識する。(取得の理由と効果、決意)
   ・研修やコンサルタントなどから情報を収集する
   ・適用範囲、認証サイト、コンサルタントなどを決める

2.管理責任者と事務局の任命

   ・QMS責任者…社長または工場長/事業部長
   ・推進責任者…品質保証部長
   ・事務局…1~2名(品質保証部)

3.プロジェクトチームの編成

   ・プロジェクトメンバーを選出
   ・キックオフ・ミーティング開催
   ・社内PR、社員への周知
   ・推進計画の策定

4.システム構築

   ・業務分析と見直し
   ・品質方針の策定
   ・品質マニュアル、規定、手順書などの作成

5.システム運用

   ・社員教育の実施
   ・マニュアル、規定、手順書にそった作業の実施と記録

6.内部監査の実施

   ・計画書、チェックリスト、監査実施、結果報告書の作成
   ・是正処置、予防処置の実施

7.マネジメントレビューの実施

   ・マネジメントレビューの実施

8.第三者審査の受審

   ・予備審査の受審
   ・本審査の受審

品質マネジメントシステム文書の構成

 品質マネジメントシステムとは、品質管理を推進するための組織の構造、責任、手順、工程、および経営資源などのしくみのことです。自社の品質マネジメントシステムと品質方針を明文化し、品質マネジメントシステム要求事項を実行するために用いる主要文書の典型的な形式が品質マニュアルです。

 品質マニュアル作成の目的は、品質マネジメントシステムに関する適切な事項を記述し関係者に提供することです。 また、品質システムと文書類の位置付けとしては、まず品質システムを構成する文書類の最上位に品質マニュアルがあります。次に品質マニュアルを具体的な内容で表した規定・規格・標準がきます。その下位文書に、規定・規格・標準を実施するための手順書・指示書類が位置付けられます。

 最後に、これら規定・規格・標準および手順書・指示書類に基づき実際に行なわれたことの証明としての伝票類を含む品質記録があります。記録は文書の一部とされています。

品質マネジメントシステム文書作成のポイント

 品質マニュアルをはじめ、二次文書以下の品質システム文書作成にあたっては、「網羅性・簡便性・整合性」の3つを留意してすすめましょう。まず、 ISO9001で要求している"規格要求事項"が最低限満たされていることが必要です。そして、規定要求事項(顧客との契約事項、自社内部で規定する事項、法的・社会的要求に基づく事項など)が"分かりやすく""必要な事項は漏れなく""文書間の関連性が取られている"ことが必要です。

 この3つの要素を満たし、迅速かつ合理的に作成するためには、品質システム構築技法などを適宜工夫して、次の6項目に気を配りながら作成するとよいでしょう。

① ISO9000品質システムと既存の社内規定・標準の関係を認識する

② 自社の現状の標準化レベルを的確に把握する

③ 最低限要求事項を満たし、しかも自社でも実行できる範囲で、社内の規定を要約する

④ 品質マニュアルでは,簡潔かつ具体的に記述する。また下位文件の社内規格、手順書、指示書を引用する。また、図解、フローチャートで表現すると分かり易くなります。

⑤ 品質マネジメントシステム要求事項と品質マニュアルの網羅性を確認する

⑥ 品質マニュアルと個々の社内規格・手順書・指示書との整合性を確認する

品質マネジメントシステム文書の社内体系(例)

  • 経営管理
       ・社内規定総則、経営基本政策規定、組織規定、職務権限規定など
       組織図、委員会運営要領、経営方針策定要領、委員会議事録など
  • 人事管理
       ・人事管理規定、教育訓練規定など
       教育計画作成要領、資格認定要領、研修報告書など
  • 総務/庶務管理
       ・就業規則、文書管理規定など
       社内文書作成要領、文書配布要領、文書改訂通知書など
  • 営業管理
       ・受注管理規定、保守サービス規定、顧客満足度調査規定など
       受注契約実施要領、見積書作成要領、契約内容打合せ覚書など
  • 生産管理
       ・生産管理総則規定、工程管理規定、作業管理規定など
       生産計画作成要領、組立作業標準、作業日報、完了報告など
  • 資材管理
       ・資材管理総則規定、購買管理規定、外注管理規定、倉庫管理規定など
       購買文書作成要領、取引先評価要領、ミルシート、納品書など
  • 品質管理
       ・品質保証規定、検査管理規定、苦情処理規定、品質監査規定など
       受入検査/検収標準、自主管理標準、受入検査報告書、出荷検査報告書など
  • 設備管理
       ・設備管理規定、治工具管理規定、計測器管理規定など
       治工具取扱い要領、計測器取扱い規準、日常点検表、設備管理台帳など
  • 技術管理
       ・技術管理総則規定、設計管理規定、図面管理規定、設計標準、製図標準など
       製品規格、部品規格、材料規格、設計変更通知書、設計審査チェックシートなど






ISOを新規認証取得しようと検討されている方に、「ISOシステム構築への取組み」その2 を解説します。

早く、安く、効果的な取組み方法

 グローバル経済化が進んだ今日、国際的な取引は、”有言後に実行”の文化で実行していかなければなりません。昔の日本には、”あうんの呼吸で実行”とか、長期なれ合い取引により帳尻を合わせるような経営をしてきた面がありました。国際化が進展した今日、「主張しつつ、相手に受け入れられる方法」を身につけなければなりません。
 国内取引においても、系列関係や身内意識がすでに崩れてしまい、まったく新規の顧客と取引を始める場合にはこの感覚が重要となります。
 ”あうんの呼吸”だけの経営感覚ではISOのシステムは築けません。まず”先に契約ありき”であることを肝に銘じることも大事です。そして経営の仕組みを文書として明文化することが必要となります。
 最近の新規認証取得企業は30名程度の企業が多くなってきました。こうした小規模企業のニーズは、早く、安く、効果的な取組みで認証取得したいということのようです。これを実現するには、経験と知識の豊富な経営コンサルタントの活用が鍵を握ります。 筆者が最近支援した企業は、3ヶ月半で認証取得しました。システム構築に1ヶ月弱、順次運用を初めて無事合格しています。しかもISO9001とISO27001の統合マネジメントシステムの構築、運用でした。優秀なコンサルタントのノウハウと時間を買うのはスピード経営が求められる今日、非常に大事なことなのです。

ISOには、2つの効能-特効薬と漢方薬

 ISOは認証取得の動機でその効果が違ってきます。即効性を求めるか、遅効性でも体質改善を求めるかの違いです。
 取引先から言われたから、輸出拡大のため、など外部要因による取組みは、差し迫った理由がありますので取得効果には即効性があります。この場合、取得することが目的ですので、”既成の市販のマニュアル”を入手し、住み心地の悪い”一夜城のシステム”を短期間で構築して取得することも可能です。
 しかし、取得後は増改築、雨漏り、強度不足などで修復工事に四苦八苦します。ましてや、ライバル会社が認証取得したからとか、商工会の周辺の会社が取ったからとかの、受け身で取り組むと目的も効果見通しも不透明で、悲劇的結果を招きかねません。
 やはり、ISO取得とその取組みの狙いを、短期的には対外的な特効薬として、長期的には自社の体質改善の漢方薬にするのがよいでしょう。そうすれば、社内におけるISOの「意味付け・位置付け・方向付け」が明確になり、社員にとっても分かり易くなります。

ISO取得に取り組む前に管理責任者が考えること

 ISOでは、文書作成および実施事項に対して、権限のある管理責任者を置くように義務付けている。管理者層がシステム構築段階から参画しなければ運用するのが難しくなります。
 したがって、トップダウンとボトムアップの接着剤として、管理責任者の機能・役割が絶対に欠かせません。本当はこんな面倒なことはやりたくない、と考える管理者が多いかもしれません。管理責任者は常日ごろ、部下の仕事が進まないという悩みを抱えながら仕事をしています。その上このような余計な役割を押しつけられたのではかなわないというのが本音でしょう。
 しかし、部下が遅れる要因をもう少し掘り下げて分析してみるとよいでしょう。彼らからは、「やり方や仕組みが分からない」「能力以上のものを抱えている」「会社の目標が自分の目標につながらない」「個人としての価値が見出せない」「興味がわかない」などの意見が返ってきます。
 結局、会社の方針だから仕方なくやっている。方針は押しつけとしか捉えられていない側面もあります。
 反発的な者や、まったく気力のない者が混在しますが、その圧力的な対策に追われてばかりいても労力のムダになります。外堀から埋めていくよう環境づくりを考えておきたいところです。最低限、推進グループの足を引っ張らないようにする策は講じておくことが大事です。

部下にとってISO取得のメリットはあるのか

 管理責任者は、部下の自発性・自己啓発を促し、その気にさせるには「社員にとって、ISO取得のメリットは何か」を部下に説明し、納得させなければなりません。それにはやはり管理者自身が、そのメリットは日常業務や個人の能力開発にあることを理解・納得する必要があります。
 内部監査員養成研修を社員研修として実施する企業は相当数あります。中堅・幹部社員をまとめて、外部講師による社内研修が実施されています。ISO取得および取得後の維持には多数の監査員が必要になるからです。しかし受講の目的はそれだけではないようです。
 これまで、会社には、自社の仕組みの全体像を知る機会あるいは知らせる機会がなかったことによるものと思われます。会社としては整備・見直しのチャンスであり、社員にとっては全体を知るチャンスであると同時に自ら整備・構築の作業に参加できるチャンスなのです。
 具体的なインセンティブ(誘因)がなければ、社員がその気になるモチベーションとして十分ではありません。兼務で取り組むISOの仕組みづくりを円滑に達成するには、1人ひとりがその気になることが大事です。
 それには一生懸命取り組み、役割を全うした者にはそれなりに評価するシステム(能力主義人事評価システムとの連動など)を検討しておくとよいでしょう。
 産業界では今や、能力主義人事が当たり前になりました。社員がその気になり、ISOのシステムにより全社的にさらに大きな成果を得るには、このような周辺システムの見直しも必要となります。

ISOは経営管理の羅針盤になる

  1. 社長の言うことや方針・目標がコロコロ変わる
  2. 総務通達を出したがさっぱり実行されていない
  3. 製品/サービスが、完成したのか否か担当者に聞かないと不明、しかもたまに不良品を出荷してしまう事もある
  4. お客さんからクレームの連絡を受けて、その製品の製作者・製作月日・使用材料などの履歴を調べて報告するのにも、記録がなくいつもあちこちの書類を引っ掻き回す
  5. 営業から設計への設計・開発仕様の内容がはっきり伝達されず手戻りがよく発生する
  6. 他の部門との連絡・書類の配付がされていない
  7. 得意先からの追加変更の連絡が製造に伝わっていない

 これらの苦情・トラブルが社内あちこちで日常化しているのでしたら、ISOをやりましょう。自分の役割と責任が明確になります。また、仕事の手順が誰でも分かるようになります。トラブルによるコミュニケーション・ストレスが大きく減ることでしょう。 その結果、気が楽になります。社内の人事異動でも仕事の引継ぎが容易になります。認証取得して、システムを定着させれば、管理者の仕事も楽になります。部下への怒鳴りや不信感も解消します。
 ISOのシステムとその文書は、部下も上司も、顧客(得意先や親会社)も自社も平等に使えるコミュニケーションの共通語です。社員自ら経営改善を図り、日常活動をスムーズに行なうためにも挑戦しましょう。ISOは、社員の改善活動の新しい羅針盤となります。
 会社が生き残り、社員の生き残るための問題解決するための取組みでもあります。取り組みは受け身でやると嫌になります。システムをつくり上げる面白味や達成感を味わおうとする気持ちが大事です。

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